I~出会い~
印刷会社に勤めるソラは、特に存在感のない普通のサラリーマン。恋人のリンと適当につきあいながら、無気力な日々を過ごすだけの生活だった。
そんなソラが唯一非凡な才能を見せていたのが、夢の中で夢だと気がつく明晰夢を見ることだった。
明晰夢の世界に逃避することで、ソラは退屈な現実世界をかろうじて人並みに過ごすことができた。
ある日ソラは、明晰夢でゼロと名乗る美少女と出会う。
単なる夢で出会っただけの女性だと思っていたソラは、ゼロが地球と二千万光年離れた惑星から、夢の世界を通じて地球にやってきた宇宙人だと知る。
その目的は、ゼロの惑星であるエリュシオンの救世主を地球で探すことだった。
エリュシオンでは、あるバイオテロ事件を契機として、恐るべき陰謀が進行していた。
超能力者の犯行だと思われるおぞましい未解決の事件が、世界中のあちらこちらで続出していたのだ。
それは闇の超能力者集団が、能力を持たない人々を惑星から排除して隷属させるという計画の一端であった。
しかし、エリュシオンの創成期から地底世界を築いていたある民族が、五千二百年前になされた予言書によりこの事実を把握していた。
この予言は何層にも封印されていて、五千二百年前からその民族により封印がひとつずつ解かれていたのである。
残る一つの封印を前にして、地底民族は大きな壁に直面していた。エリュシオンを救うために最後の封印を解除して、救世主となるガイア(地球)の人物の名前を見いださなくてはいけない。
最後の封印を解くためには、五千二百年前に鍛えられた七本の剣と、その守り手を見つける必要があったのだ。
そんな地底民族と関わりを持つ、ティーグレ、ティーグレの祖父キャッスル、そしてゼロたちが地上で立ち上がった。
7本の剣とその守り手を見つけ出し、さらにガイアの救世主との仲介役となる人物を探すことにしたのだ。
そして夢の侵入に関する特殊能力を持つゼロが、明晰夢でソラと出会うことになった。
救世主を探す仲介役を引き受けたソラは、エリュシオンを訪問することになる。
美しいエリュシオンの世界とは裏腹に、ソラは恐るべき出来事に巻き込まれていく。それはソラの想像を遥かに絶する恐怖に包まれた世界だった。
7本の剣の守り手は見つかるのか?
ガイアの救世主とは誰なのか?
闇の超能力者集団を操る謎の少年の正体は?
ティーグレとソラに関わる驚くべき秘密とは?
これらの謎が三部作を通して語られていく。
この第一部は、そんな彼らの出会いを描いた物語である。
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